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評価:
有川 浩
メディアワークス
¥ 1,680
(2005-06)
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横須賀に巨大甲殻類来襲。食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。孤立した潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ少年少女の運命は!?
海の底から来た『奴ら』から、横須賀を守れるか―。
米軍・横須賀基地が市民に開放される桜祭の日に突如出現した巨大なエビが次々と祭に来ていた人を襲撃し食い始めます。
桜祭の開催時に横須賀基地内に停泊していた潜水艦『きりしお』に、避難した13人の最年長高校3年生から最年少小学1年までの未成年と「あれが艦を預かることになったら第二潜水隊郡は終わる」と言われている海自の問題児実習幹部2名が取り残される形になります。
陸上では県警機動隊が巨大エビ相手に必死の防衛を試みています。
県警の現場指揮官明石警部とと警察庁烏丸参事官は、「警察の処理能力を超えている」この事態を、「できる限り速やかに状況を自衛隊にリレーすること」に奮闘します。
もしいきなり日本に訳の分からないモノが来襲した時は、即・自衛隊という動きは出来ないんだなぁ…とおかしな所で感心しちゃったり。
自衛隊が出動するまでに及び腰になる官僚を動かすために仕掛ける駆け引きが良いなぁ。
明石・烏丸のおっさんコンビと機動隊の滝野さん…と言った警察のおっさん軍団が格好良かったり。
取り残された「きりしお」内の子供集団、中3のすごい嫌なガキの圭介には結構イライラさせられます。
が、この圭介の心情も後半で語られますから何でこんな嫌なガキになったかも分かり、更にラストは漢(おとこ)を上げる感じで良いなぁ。
海自の問題児実習幹部の夏木・冬原も子供相手に容赦ないのが楽しいです(笑)。
カテゴリ的には「怪獣」モノになるでしょうかw
ライトノベルズの疾走感と淡い恋愛が「お約束」な分どちらも楽しめてお得と言う感じです。
ちなみに冬原・夏木の恋愛に関しては短編集「クジラの彼」で…w
この作品は「自衛隊3部作」と呼ばれる作品の3作目…という事になります。(「塩の街」「空の中」「海の底」)
私個人は物語の展開はこの「海の底」が1番楽しめた感じがします。