金環蝕的日々

本のこと、日々のこと

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「卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし 」 宇江佐真理 (2007.09.11)
煮炊きの煙は、人の心を暖める。
夫との心の行き違いは、喰い道楽で心優しい舅にいつも扶けられる。
「のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ」


北町奉行所の臨時廻り同心椙田正一郎とその妻のぶ、『食い物覚え帖』に今まで美味だったものを書いて保存をしている食道楽な舅・忠右衛門と磊落な姑・ふで。
心の行き違いが修正されない正一郎とおのぶのハラハラ度、忠右衛門の掴まえ所のないふんわりとした感じ…捕り物がある訳ではなく家庭内のやりとりの話です。

おのぶがすくんじゃうの分かるなぁ…とか、正一郎のこの物言いって実はおのぶが好きなんだな…とか、親戚の若いの(笑)を見ながら「若いねぇ…」と言いたくなったりw
ちょっと切なく、ちょっと笑えて、ちょっと哀しい、でも最後はほんわり…の感じ。

「秘伝 黄身返し卵」
「美艶 淡雪豆腐」
「酔余 水雑炊」
「涼味 心太」
「安堵 卵のふわふわ」
「珍味 ちょろぎ」
の6編。
表題にもなっている食べ物がまた良いアクセントになっています。
卵のふわふわ、食べてみたいなぁ…w
| 宇江佐真理 | 21:14 | comments(0) | trackbacks(0)
「ひょうたん」宇江佐真理 (2006.06.22)
ひょうたん
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本所北森下町、古道具屋「鳳来堂」。
のんきな亭主音松と、勝気な女房お鈴。
ふたりが営む古道具屋を舞台に江戸に息づく熱い人情と心意気。


小金が入ると博打に走ったり、呑み友達と「おだ」をあげちゃったりする太平楽な亭主、勝気で亭主の呑み友達に内心「やだなぁ」と思いつつも酒の肴はきっちり用意するお鈴。
音松の兄の家に奉公に出ているしっかり者のひとり息子長五郎。
音松の呑み仲間、酒屋の房吉、駕籠曳きの徳次、料理茶屋の勘助。

決して大きな出来事は起きません。
でも日々の暮らしの小さな出来事、その出来事に、揺らめいたり腹を立てたり、でも根が真っ当な音松とお鈴。
ほろりとしたり、にっこり笑っちゃったり、ちょっと切なくなったり…ダシのきいたお吸い物とか浅利の潮汁とか、す〜っと飲み込み、「あぁ、美味しかった…!」と思う感じに似ています。
連作短編の楽しさですね。
| 宇江佐真理 | 10:57 | comments(0) | trackbacks(0)
「アラミスと呼ばれた女」 宇江佐真理 (2006.05.01)
4267017360アラミスと呼ばれた女宇江佐 真理 潮出版社 2005-12by G-Tools


安政三年、坂の町、備前長崎。
鎖国政策が取られている日本で、長崎の出島だけが唯一、世界に開かれた窓だった。
十歳になるお柳は、その出島で通詞をしている父・平兵衛の横で、少しずつフランス語を覚えていく。
出島は女人禁制。
しかし、お柳はフランス語通詞への憧憬をひそかに抱いていく…。
榎本武揚と共に幕末を生き抜いた男装の通訳の数奇な運命


幕末から維新にかけての時代のお話です。
女性の視点で、激動の時代を静かに描いている感じですね。

ラストの榎本武揚の仮装舞踏会の装束が良いですわ〜。
| 宇江佐真理 | 12:53 | comments(0) | trackbacks(0)
「紫紺のつばめ」 宇江佐真理 (2005.08.17)
紫紺のつばめ
紫紺のつばめ
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2. 8
宇江佐 真理著
文芸春秋 (2002.1)
通常2-3日以内に発送します。

髪結い伊三次シリーズ 2

材木商伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れる、深川芸者のお文。
一方、本業の髪結いの傍ら同心の小者を務める伊三次は、頻発する幼女殺しに忙殺され、二人の心の隙間は広がってゆく…。

「幻の声」でラストに聞こえたような気のした茶屋のお内儀の声(いいのかい、お文…

)、実はお文自身も自信のあっての事ではないです。
お文の内のためらう部分に、伊勢屋の旦那がするりと入ってきます。
この「紫紺のつばめ」で伊三次とお文、別れてしまいます(いや、その後もありますから)。

別れた後、伊三次は伊三次でえらい災難に遭ったりもしますが、その辺はまぁ、読んで
のお楽しみ。
このシリーズ、捕物そのものより、伊三次と伊三次の周辺の人々の人生を追うのが楽しい部分あります。

「紫紺のつばめ」
「ひで」
「菜の花の戦ぐ岸辺」
「鳥瞰図」
「摩利支天横丁の月」
の5編が収録されています。
| 宇江佐真理 | 09:27 | comments(0) | trackbacks(0)
「幻の声」 宇江佐真理 (2005.08.04)
幻の声
幻の声
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2. 8
宇江佐 真理著
文芸春秋 (2000.4)
通常2-3日以内に発送します。

髪結い・伊三次シリーズ 1
本業の髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次。
芸者のお文に心を残しながら、今日も江戸の町を東奔西走…。

腕の良い髪結いながら伊三次はまだ髪結い床を持っていない廻りの髪結いです。
髪結いとしてはとても腕がよく、同心のお手先としての推理力もある…けれど金はないんですね、伊三次。
一方恋人(間人)のお文は芸者です。気風のよさで売る深川芸者。
お互い惚れあっていますが、なかなか先へは進めなかったり。

髪結い伊三次のシリーズは伊三次の裏の稼業が同心のお手先ですから捕り物がからみます。
ただ中心は人の心…と言いますか、下手人の持つ事情の切なさや哀しさ、町の人々の暖かさ、伊三次のためらい、お文のためらい、そう言った人の心の色々が、このシリーズしんみり沁みてきます。

「幻の声」
「暁の雲」
「赤い闇」
「備後表」
「星の降る夜」
の五編が収録されています。

文庫で4冊、単行本でさらに2冊出ています。
文庫4冊は一気に読んでしまいました。ううう…先が気になる〜w
少しずつ時間が経過する作立てなので作中人物たちの環境もゆっくり変わっていくのも楽しかったり。
| 宇江佐真理 | 09:11 | comments(0) | trackbacks(0)
「斬られ権佐」 宇江佐真理 (2005.07.19)
斬られ権佐
斬られ権佐
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2. 8
宇江佐 真理著
集英社 (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。


惚れた女を救うため、負った八十八の刀傷。
江戸・呉服町で仕立て屋を営む男は、その傷から「斬られ権佐」と呼ばれていた。
権佐は、救った女と結ばれ、兄貴分で八丁堀の与力・数馬の捕り物を手伝うようになる。
押し込み、付け火、人殺し。
権佐は下手人の持つ弱さと、その哀しみに触れていく…。


この「斬られ権佐」は捕り物帖としてより、人情物として輝いている感じです。
捕り物も当然あるんですが、捕り物の謎解きよりそれを犯した下手人の哀しさや、事件を扱う権佐のあり方が良いんですわ。

権佐、その女房で女医のあさみ、娘のお蘭。
権佐の父親次郎左衛門、母のおまさ、弟の弥須。あさみの父・麦倉洞海。
兄貴分の与力・菊井数馬。
権佐も、権佐の周囲の人々も、いや〜泣ける。

権佐の瀕死の際の口説き文句、いいですw
また、兄貴分の菊井数馬の、思い切りの悪い不器用さと権佐への接し方が結構良い感じで好きです。
| 宇江佐真理 | 21:40 | comments(0) | trackbacks(0)