日本国のあり方を問う大事件の発端は、新宿中央公園のナイジェリア人同士のささいな喧嘩だった…。
新宿鮫シリーズの9作目です。
前作「灰夜」から5年ぶり…という事になるのかな。
麻薬、運び屋、盗品の闇市場、外国人犯罪、ヤクザ…色々な要素が今回の「狼花」で描かれています。
鮫島と同期の香田は公安部外事1課から36年ぶりに警視庁に新設された新しい部、組織犯罪対策部(組対)の理事官として移動をしています。どうやら自らの希望らしい…。
香田の他にもロベルト村上こと仙田も出てきます。
鮫島のガールフレンドの晶は今回ほとんど出てきません。
電話での会話のみ。
ん〜…関係どん詰まりみたいな感じがしてきますね…。
ちょっと寂しいなぁ…。
外国人による犯罪は結構ニュース種になったりしている分、昔より増えているのだろうし、増えた分、不法就労者が多い分(実数がつかみ難いから)検挙もしにくいだろうなぁ…と思ったり。
あ、不法就労者が犯罪的だと言いたい訳ではないです。
不法就労だけでも強制送還などになってしまうのですから、本国では犯罪と関わりがなかったとしても犯罪的な事に関わる率は高くなっちゃうんだろうな…みたいな事を感じちゃったり。
盗品の闇市場の鑑定士の明蘭がなかなか魅力的です。
たおやかな誰かの花であるより自らの力で立てることを証明したい…と欲する彼女が今作のタイトルの意味かなぁ…?と思ったのですが、どうでしょう。
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評価:
大沢 在昌
光文社
¥ 1,680
(2006-09-21)
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