金環蝕的日々

本のこと、日々のこと

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「蒲公英草紙」 恩田陸 (2006.01.22)


「たぶん、あの人たちは『常野』だな」耳慣れない言葉にきょとんとします。
眠そうな顔をしていた秀彦兄様も顔を上げました。
「『とこの』というのは何のことですか?」
「詳しくは知らないが――古くからいる一族だよ」


不思議な力を持ち、ひっそりと生きる常野の一族のお話。
今回は彼らと触れ合った少女の視点で物語が語られます。
ちなみに読みは「たんぽぽそうし」です。

明治時代の、日本がだんだん軍国主義になっていく…という時代背景が、少女の視点で語られるので失われつつあるもの、これから先に起こるであろう事がうっすらと分かる部分が切なく、その失われた時代が余計美しく感じたり。
美しく少し哀しさも含んだ物語。
この本で描かれた先の話も読みたくなります。
| 恩田陸 | 14:22 | comments(0) | trackbacks(0)
「夜のピクニック」 恩田陸 (2005.07.17)
夜のピクニック
恩田 陸著
新潮社 (2004.7)
通常2-3日以内に発送します。


夜を徹して80キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明けあったり一夜を過ごす。
そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。

友と一夜を一緒に過ごす…これってなかなか後々まで印象に刻まれますね。
80キロの道程を歩きとおす…となると体は疲労困憊ですが、この単純な「歩く」行為って、しんどそうですが単なる旅行ではない色々な思いを刻めそうです。

主人公の貴子と融は異母兄弟で、その事を周囲には伝えていません。
父親は癌で亡くなっており、両方とも母子家庭です。
同じ年で、同じ進学校である高校に入学していますが3年になって同じクラスになったもののほとんど口もきいていない状態。
進学校であるこの学校はこの「歩行祭」が最後のイベント行事になり、それ以降三年生は受検に向ってひた走るわけです。

そんな貴子と融、その友人たち、クラスメート、なかなか楽しいキャラクターが多く楽しめます。

この感覚は「ノスタルジー」だと思うのですが、私のようなおばさんだけでなくこの時代を通りすぎたことのある人なら誰でもちょっとこそばゆく「当時」を思い出すのではw
また、10代の方も「あ、そうそう」「あるある」みたいな親近感を持つのでは…と思います。

イマドキの高校生はこんな理論整然とした事考えない…って感じもなきにしもあらず…かもしれませんが、でも人間そうそう進化も退化もしていない気がしてまして。
考える事のエッセンス、みたいなものは結構似通っていたりするのではないかな…と思ったり。どうでしょう?

「本屋大賞」受賞作でもあります。

映画化も決定したそうで、長沢雅彦監督、多部未華子、石田卓也が主演、来年公開予定だそう。
| 恩田陸 | 21:36 | comments(0) | trackbacks(0)