金環蝕的日々

本のこと、日々のこと

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「まんまこと」 畠中恵 (2008.11.21)
評価:
畠中 恵
文藝春秋
¥ 1,470
(2007-04-05)
女好きの悪友が念者のふりをしろと言いだした!?
嫁入り前の娘にできた子供の父親は一体誰なのか。
玄関で揉めごとの裁定をする町名主の息子として生まれた麻乃助。
これがたいそうお気楽もので、周囲は気がもめるのだが。


生真面目で勤勉だった名主の息子麻乃助は十六になったあたりでたいそうお気楽な若者に化けてしまったと言われています。
楽しい若者だけれど先々支配町の名主になることを考えると少々不安だ…などと周囲にささやかれたり。
そんなお気楽ものの麻乃助も今は二十二歳、父親の代理の名主見習いとして訴訟事の立ち会いに行ってきたりもしています。

名主はその町内の揉め事を調停するというお役目があります。 長屋の差配などでは事を収めきれず、さりとて忙しいお奉行所へ持ち込むほどではないことなどを、名主はその玄関で裁定したりする訳です。
太物問屋の嫁入り前の娘のお腹の子の父親はだれか、家族を流行り病で亡くした質屋の主人の奉公人時代の思い人の話からその女の娘というのが名乗り出て…、など小さい謎解きを解きつつの短編集です。
麻乃助とその悪友清十郎、お堅い同心見習いの吉五郎、幼馴染で清十郎の父の後添えとなったお由有、麻乃助と婚約するお寿ず…脇の人たちもなかなか素敵だったり。

「しゃばけ」シリーズとは違う別のシリーズと言う事です。
「まんまこと」はフツーの人々のフツーの日常生活のお話です(笑)。

「まんまこと」
「柿の実を半分」
「万年、青いやつ」
「吾の子か、彼の子か、誰の子か」
「こけ未練」
「静心なく」
| 畠中恵 | 19:29 | comments(0) | -
「こころげそう 男女九人 お江戸恋ものがたり」 畠中恵 (2008.03.28)
江戸・橋本町の下っ引き宇多が恋しい思いを伝えられぬまま亡くしたはずの、於ふじが帰ってきた――
――幽霊の身になって!!
神田川でこときれた於ふじと千之助兄妹の死の真相を探るうちに、九人の幼なじみそれぞれの将来への悩みが絡み合ってきて――


心化粧(こころげそう)
口には言わないが内心恋こがれること (江戸語辞典 東京堂出版)
何となく粋な感じですね。

宇多がひそかに想いを寄せていた於ふじが川で溺れて死んでしまいます。
それも兄千之助が川で溺れたのと同じ日に…。
好きであったことさえ告げられずにいた於ふじに対する想いがなかなか自分の中で整理がつかない宇多。
千之助・於ふじの親である由紀兵衛の長屋に通っているうちに、於ふじの幽霊が出入りしている事に気付く宇多。
そして於ふじが自分が死んだ時の事を良く覚えていない…。
下っ引きである宇多も他の仲間たちもあれこれ調べ始めます。

幼馴染として小さい頃は男も女も関係なく遊び回っていた子どもたちがやがて大人になり、口には出さないけれど誰かを好いていたり、お互い思いあっていてもなかなか一緒になるのは難しかったり、その片方をずっと片思いしていたり…と。
幼馴染たちのすったもんだもあり、最後は於ふじも(そしてもう一人も)ちゃんと成仏します。
悩んでいたり立ち止まっていた幼馴染たちもそれぞれの道を自分で決めていきます。
何となくほんわかとしたものも残る結構楽しい話でしたv



| 畠中恵 | 23:42 | comments(0) | -
つくもがみ貸します(畠中恵) (2008.02.28)
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする、小さなお店「出雲屋」。
鍋・釜・布団にふんどしまで、何でも貸し出す出雲屋ですが、よそにはないような、ちょっと妙な品物も混じっているようで…。
彼らは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。
気位も高く、いたずら好きでおせっかいな妖怪たちは、今日もせっせと出雲屋を引っ掻き回すのでありました。


「しゃばけ」シリーズの畠中さんのシリーズ外の作品、江戸時代のお話です。
つくもがみたちは「しゃばけ」シリーズの妖たちと違い、人間とは会話を交わしません。
ただ、「聞こえよがし」にあれこれ勝手に仲間内でしゃべるんですねw

冒頭からチラチラ出てくる「蘇芳」が気になりつつ、つくもがみ達が文句を言いながらもお紅と清次の役に立ったり(と言うか、つくもがみ達は彼らなりにお紅と清次が気に入っているからですがw)、お紅がたまにやんわりとつくもがみ達に脅しをかけたり…のやり取りが楽しいです。
ラストは「ほほ〜、そうきましたか」と思わずニンマリでした。

「序」
「利休鼠」
「裏葉柳」
「秘色」
「似せ紫」
「蘇芳」
の5つのお話からなっています。
| 畠中恵 | 14:34 | comments(0) | -
「アコギなのかリッパなのか」 畠中恵 (2006.04.23)
4408534870アコギなのかリッパなのか
畠中 恵
実業之日本社 2006-01-14

by G-Tools


21歳の大学生、佐倉聖は腹違いの弟を養うため、元大物国会議員・大堂剛の事務所に事務員として勤めている。
ここに持ち込まれるのは、大堂の弟子にあたる議員からの様々な問題。
飼い猫の毛の色が変る謎、後援会幹部が何者かに殴打された事件の始末、宗教団体へ入信の秘書が寄進した絵画の奪還…。
などの厄介ごとに関わった聖は、元不良の負けん気と機転の利く頭で、センセイ方顔負けの“解決”をなしとげてしまうのであった――。


政治のドロドロした話ではないですw
元議員の大堂の作る若手政治家の研究会「風神雷神」に集まる大堂門下生は会長である大堂に金はせびらないけれど困った事があると泣きついてきて、そのたびに駆り出されるのが秘書達や事務所の事務員である聖たち…という塩梅で、元不良の事務員・佐倉聖くんのトホホな日常…といった感じの話ですw
小さい日常の謎を解くタイプの話ですね。

時代小説の「しゃばけ」のシリーズは妖怪が出たりですっとぼけたキャラが多いですが、今回のこの「アコギ…」でもけっこうすっとぼけたキャラが多いです。
議員センセイにも色々な人種がいそうですが、この「アコギ…」のセンセイたちは多少アコギでも心意気はリッパ…という分類が出来そうですw

それと中に出てくる区議会議員選挙とか都議会議員選挙の具合があまり選挙としては大がかりではないけど、内情が見えやすい感じで面白かったです。
ラストの大堂センセの秘書だった小原さんの選挙結果がなかなか初々しくて良かったです〜。
| 畠中恵 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(0)
「おまけのこ」 畠中恵 (2005.11.09)
オンライン書店ビーケーワン:おまけのこ
畠中恵 著
新潮社 (2005.8)

摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若だんな・一太郎に持ち込まれるのは、訳ありの頼み事やらお江戸を騒がす難事件。
親友・栄吉との大喧嘩あり、「屏風のぞき」の人生相談あり、小さな一太郎の大冒険あり…。


「しゃばけ」シリーズの4作目。

「こわい」
「畳紙」
「動く影」
「ありんすこく」
「おまけのこ」
の6篇。

病弱な若だんなも、兄やの妖も、鳴家や屏風のぞきも、元気(?)です。
「こわい」の冒頭で仲の良い友の栄吉(菓子屋のせがれで菓子作りの腕のなさは近所の鳴り物入り)の物凄い味の饅頭が出てきます。
「鳴家達が食べられないとは。こりゃあ、食べ物とは呼べませんね」
と評される饅頭…ってw
「弧者異(こわい)」と呼ばれる、人と交わらず妖からも嫌われる、存在のそのものが他のものからはじき出されている妖が、何とも切ない味を残します。

この「おまけのこ」、安定していて、ちょっと笑ったり、ちょっと切なくなったり。
ほんのりと進む展開が楽しい感じです。
| 畠中恵 | 12:56 | comments(0) | trackbacks(0)
「ねこのばば」 畠中恵 (2005.06.28)
ねこのばば
ねこのばば
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2. 8
畠中 恵著
新潮社 (2004.7)
通常2-3日以内に発送します。

犬神や白沢、屏風のぞきに鳴家など、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若旦那・一太郎に持ち込まれるのは、お江戸を騒がす難事件の数々――

「まるで丈夫になったみたいだ」と元気にご飯をおかわりして手代の佐助に「先生に診てもらいましょうか?」とびびられる若旦那・一太郎。
異母兄の松之助に持ち込まれた縁談が元で、引き取った下男・金次がこれまた変った男で…(「茶巾たまご」)。
戦々恐々としながらご飯のおかわりを盛る佐助が可愛いw

「茶巾たまご」
「花かんざし」
「ねこのばば」
「産土」
「たまやたまや」
の5編が収録されています。

1作目は長編でしたが、この3作目の「ねこのばば」も「ぬしさまへ」と同じく短編集、個々のお話は独立しています。
きっちり美しくまとまっていて、楽しい、上手い…と感心しきり。
「茶巾たまご」、「ねこのばば」で描かれる「人間の恐さ」がひんやりとして良かったです。

「産土」は佐助の過去のお話。
なかなか良い味出しています。

この一太郎のシリーズ、少しずつ時間が経過していくのが良い感じです。
キャラクターが年を取らずに延々続く…といったタイプの作品ではないです。
成長の具合が少しずつ分かる感じの作品って好きです。
| 畠中恵 | 19:39 | comments(0) | trackbacks(0)
「ぬしさまへ」 畠中恵 (2005.06.27)
ぬしさまへ
ぬしさまへ
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2. 8
畠中 恵著
新潮社 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。


身体が弱くて繊細で力もないけど、どんな事件もたちまち解決! それは強い味方がついているから!? 健気な若だんなと妖怪たちが繰り広げる洒落っ気たっぷりの痛快人情推理帖。

一太郎のシリーズは、現在「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」と3冊出ています。これは2冊目、今回は短編集です。

「ぬしさまへ」
「栄吉の菓子」
「空のビードロ」
「四布の布団」
「仁吉の思い人」
「虹を見し事」
の6作が入っています。

一太郎の腹違いの兄である松之助、前作では詳しく描かれていなかった松之助サイドのお話が「空のビードロ」で語られます。
ラストに泣いちゃう松之助が良いです。

あの若だんなにしか興味のないような仁吉に思い人が…!(「仁吉の思い人」)
思い人は妖です。
ほんのり良い感じの余韻でした。

哀しみを含んだ話、くすりと笑える話、しんみりする話…各作品の余韻が良かったです。
| 畠中恵 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0)
「しゃばけ」 畠中恵 (2005.06.26)
しゃばけ
しゃばけ
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2. 8
畠中 恵著
新潮社 (2004.4)
通常24時間以内に発送します。

江戸有数の廻船問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若旦那の周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。
めっぽう体が弱く、周囲は甘々に世話を焼き、その世話の焼き方に見合うだけちゃんと(?)寝込むこの若旦那・一太郎。
その一太郎を大甘で可愛がる両親は、近所の口の悪い呉服屋の主人が「大福餅の上に砂糖をてんこ盛りにしてその上から黒蜜をかけたみたいだ」と言わしめるほど。
大店のボンボンらしく金に苦労したりはしていませんが、死にかけた数が半端ではない「苦労人」(?)なので性格も心根もある意味まっとうな良い青年であったりします。
物事を論理的な目で見ることも、一見何の脈絡もないように見える物事の中心を見通す目もあります。

助ける兄やの手代たちは実は犬神と白沢という妖で、この一太郎の周囲には妖がいっぱいいて、一太郎を助けてくれます。
当然ながら一太郎に対する世話の焼き方も尋常じゃないくらいですが、一太郎はその世話にちゃんと応える(?)病弱さ。
妖は人でない分、どこかズレていて、そのズレている所がまた可愛いです。
小さい小鬼の「家鳴」が何とも可愛いです。

見目も美しく、病弱…という少年が主人公の作品というのは、BL系のものには結構ありがちな設定だったりします。
ライトノベルズ系の作品は地の文に「超絶美形」なんてのが入ったりするのまであって、単に美しいってのは何の意味も持たなくなってしまっている気が…(この作品の感想ではないですがw)と美形の出てくる小説は最近ちょっと警戒ぎみだったりしています、個人的に。
この一太郎は病弱な自分に対してコンプレックスをちゃんと持っていたり、自分の出来る事を自分の力で解決しようとしたり…と、これがなかなか良い漢であったりして、ニンマリ。
猟奇的殺人事件を解決に導いた後はちゃんと寝込みますし(笑)。

楽しみました。
| 畠中恵 | 13:54 | comments(0) | trackbacks(0)