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評価:
万城目 学
産業編集センター
¥ 1,260
(2006-04)
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このごろ都にはやるもの、
勧誘、貧乏、一目ぼれ。
葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。
腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、
出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。
このごろ都にはやるもの、
協定、合戦、片思い。
祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。
「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。
戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。
恋に、戦に、チョンマゲに、
若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。
京都の街に巻き起こる、疾風怒濤の供覧絵巻。
都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。
前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。
「鴨川ホルモー」ここにあり!!
一応、括りとしては「ファンタジー」になりましょうか。
誰に知られる事もなく、昔々からずっと続けられている「ホルモー」。
現代は京都の各大学のサークルとして活動しています。
葵祭のバイトを終えた安倍は祭で知り合った高村という男と一緒の時に「京大青竜会」という何だか怪しげなサークルに新歓コンパに誘われます。
この新歓コンパでひとりの女の子に一目惚れをしてしまった安倍は、彼女と会いたいが故に「青竜会」のサークル活動にせっせと出席することになります。
この「ホルモー」はオニを使役し、戦う競技なのですが、オニの言葉をずっと練習し言葉を操れるようなり、「代替わりの儀」を終えないとオニが見えないんです。
京大・青竜会は青いオニ、吉田神社でこの「吉田代替わりの儀」を行います。
それぞれの大学で神社が違う感じですね。
(ちなみに、産大玄武組の黒いオニは上賀茂神社に、立命白虎隊の白いオニは北野天満宮に、龍谷フェニックスの赤いオニは伏見稲荷大社にゆかりのオニと言う感じ)
奉納の舞がすごいおバカでこれが結構ツボにはまりました。
出版は2006年4月、「本の雑誌」エンターテイメント第1位、「王様のブランチ」新人賞受賞、ボイルドエッグズ新人賞受賞、本屋大賞第6位…と各賞を受賞しています。