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平野勇気は高校を卒業したものの就職するわけでもなく、適当にフリーターで良いや…と思っていた所を高校の担任の熊やんに勝手に就職先を決められ、親も大賛成で三重県の山奥に林業の研修生として神去村に送り込まれてしまいます。
自分で志願した訳ではないキツい林業研修生活、脱走も試みますがだんだん林業に惹かれてもいき…気になる美女もいる。
蛍や神下ろし、夏祭り…と美しい神去村の四季をはさみながら、何かいわくがありそうな「大祭」になだれ込み…と、主人公勇気の視点で楽しいテンポで一気読みの感じ。
林業に携わる男衆の底知れぬ体力(妖怪具合)や、繁ばあの「(少しネタバレ反転してください)デューク(ネタバレ終了)」、脇のキャラクターが楽しいです。
あぁ、楽しかった!
箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。
才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。
たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。
長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。
ハイジこと清瀬灰二が銭湯の帰りにコンビニで万引きをした俊足の青年を追いかける事から物語が始まります。
ハイジはこの青年が誰であるのかを追いかけている最中に気付きます。「あぁ、きみだったのか」
中距離・長距離競技は短距離ほど絶対的な向き不向きはないかも…ですが、根性だけで何とかなる程軽いものでもないでしょう、当然。
素人が入って(陸上経験者3人、サッカー経験者3人、剣道経験者1人、山を2つ越え10キロの距離を登校していた男1人、素人2人、計10人)1年で箱根駅伝に…と言うのは、フィクションとは言え「そらぁ、無理じゃろ」という範疇に入るかも…などをつらつら思いながら読み始めた訳です。
…素人もいるギリギリのメンバーで駅伝…「有り得ねぇ〜!」な部分と、後半の素人も含めたバラバラの集まりから、だんだん各自のメンタリティも「ランナー=走る人」になっていく過程、走が「箱根はそんなに甘い所じゃないんだよ!」とキレる過程…と、話が進むにつれ、初めの「有り得ねぇ〜!」がだんだん「頑張れ」になって行く感じです。
気になっていたはずの「有り得ねぇ〜!」がどんどん気にならなくなってくる感じ。
駅伝が身近…と言うか、立体的に見える感じですね。
お正月の箱根駅伝、見てみようかな…みたいな(全部通して駅伝見たことないので)。
私の読書は図書館本→気に入ったら文庫のコースが多いですが、読み終わってすぐNet書店でポチッとな…をやってしまいました。
文庫版ではなく単行本版でUpしたのはこちらの表紙の方が好きだから、です。今自分の手元にあるのは文庫版なのですが。