夢枕 獏著中央公論新社 (2004.11)通常2-3日以内に発送します。
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史上最大のモスクに挑んだ天才建築家シナンの生涯 16世紀、壮麗王スレイマン大帝のもと繁栄を誇るオスマントルコ帝国に、工兵から宮廷建築家へと昇りつめた男がいた。100年の生涯で477もの建造物を手がけ、かたちなきイスラムの神を空間に描こうとした「石の巨人」――。悠久の都イスタンブールに刻まれた建築家シナンの軌跡を辿り、薫り高きイスラム文化の核心に迫る渾身の歴史長篇。
16世紀のオスマントルコで、「神の在る建築」をひたすら希求した建築家シナンの生涯、引き込まれました。
世に知られるようになったのが50代、その後100まで生きて400を越える建造物を作る生涯っていうのも凄いですね。
この「シナン」で語られる神、現実社会の一神教の神って馴染めない感じがしますが、主人公自身が「どのような名前で呼ばれても同じもの」であると言っているのが一神教に対する違和感を感じさせないので良い感じ。
イスラム世界に関してはほとんど知らないですし、オスマントルコにしてもキリスト教圏の最大の敵だった…くらいしか知らないですが、モスク(ジャーミー)に行って神を感じたくなります。
でも、イギリスにヘンリー8世、フランスにフランソワ1世、スペイン王にして神聖ローマ帝国皇帝・ハプスブルグ家のカール5世、オスマントルコにスレイマン大帝。
またミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、コペルニクス、マルティン・ルター…激動する世界史の世界ですw
この時代、何か凄いですよねw
絶対権力者であるスルタンになるためには、またスルタンでい続けるには自分の兄弟はもちろん、父であれ、息子であれ殺す…って世界はとても恐いですが。
キリスト教圏の国でも兄弟を、腹違いを…ってのはあったでしょうが、父や息子を公然と…って感じじゃないですよね。
夢枕獏さんは、出世欲とか権力欲とかではない、純粋な「高みへの希求」を描くのがとても巧い作家さんだと思います。
「神々の山嶺(いただき)」や「月に呼ばれて海より如来(きた)る」や「上弦の月を食べる獅子」などが思い浮かびます。
バイオレンスやエロス全開のサイコダイバー・シリーズも大好きですが、高みへ高みへ…と進む物語もとても好き。
シナンの建てたジャーミーが見たくなり、あれこれ検索してみました。
こちら、これフレームがあるサイトさんじゃないかなー。
鉄下駄さんの
ぼすぽらす旅日記も検索で見っけ。