レンタルDVDでバレエ・カンパニーを見ました。
2003年、ロバート・アルトマン作品。
ダンサーとしてひたむきに生きるライ(ネーヴ・キャンベル)はジョフリー・バレエカンパニー・オブ・シカゴの一員として、順調にキャリアを重ねてきた。
シーズン開始早々、ライは同僚でもある恋人の裏切りを告げられる。
しかし一方、外部から招いた世界的な振付家ラー・ルボヴィッチ(本人出演)の新作では、主役の怪我により代役から抜擢、嵐の中の野外公演では大成功を収める…。
ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴというのは、日本でこそ知名度は低いものの、 アメリカでは真のアメリカン・スピリットをもったカンパニーとしてもっとも愛され、支持されているカンパニーなんですね。実在。
役者はライ役のネーヴ・キャンベル、ミスターAのマルコム・マクダウェル、ライの新しい恋人ジョシュのジェームズ・フランコ。
これ以外はこのジェフリー・バレエ・オブ・シカゴの現役ダンサーたち。
こういう条件で撮られた映画なので、ダンサーの怪我とか、ベテランダンサーのわがまま具合とか、映画的なドラマを演技で作るのには無理があるかも…と思ってしまいます。
映画としてはちょっと微妙かなー。
ドキュメントでもなく、ドラマでもない、全体が平坦で、出てくるキャラが描けていない感じ。
ただ、ダンスはねー、楽しいです。
前衛的なバレエというのはあまり見たことがなかったのですが、画面を見ながら「いやー、こんなに脚が開くのー?」とか、「動きが斬新だー」とか「ダンサーの背中って美しいー」とか。
ネーヴ・キャンベルは元々はバレエをやっていた人だそうですが、全編吹替えなしで踊っているんです。これも凄い。
ミスターAのマルコム・マクダウェルのワンマンで芝居がかったジェスチャーが楽しいし。
あと、ダンスのシーンで、トゥ・シューズや男性のシューズの立てる靴音や、跳躍から着地した時の音とかも入っているのがなかなか臨場感ありました。
ドキュメントとしてのバレエならパリ・オペラ座のダンサーたちの過酷な生存競争や血の滲むような努力の日々、華やかなステージの舞台裏を、丁寧に追う秀作ドキュメンタリー
「エトワール」(ニルス・タヴェルニエ監督)の方が迫力や臨場感があります。
いや、「エトワール」は映画というよりドキュメントですからまたまったく別物ですがw
でもこの「バレエ・カンパニー」の淡々とした雰囲気もなかなかでした。
ニューヨークのジョフリー・スクールからは、シャーリーズ・セロン、パトリック・スウェイジをはじめ、演劇、バレエ、ブロードウェイなど各界で活躍する多くの人材を輩出してきたんだそうで。知らなかったw